ドル円為替相場や日本株の今後を左右する最もわかりやすい指標は「米FRBによる利上げ回数」である。「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏は、それぞれの局面でどのような予想をしているのか? 最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

3回目の「大幅円安」は期待できるか?

ドル円相場と株価の動きが連動していること、そして為替はマネーの量を左右する日米両国の経済政策によって動くことはすでに以前の連載で解説したとおりだ。したがって、ドル円や株価の大きなトレンドは、日本と米国の経済政策、なかでもマネーの量に直結する金融政策を見ていれば、大きく見損なうことはまずない。

※参考
日本株マーケットは「異常」だからこそ儲けやすい
―ドル円相場と日経平均株価はなぜ連動しているのか?
https://diamond.jp/articles/-/116543

「トランプ円高論」はマネーの基本をわかっていない!!
―円の価値は「○○」が決めている
https://diamond.jp/articles/-/116538

過去の大きな値動きを見ながら、そのことをまずは確認してみよう。

ドル円相場と日米経済政策の推移

上の図を見ればわかるとおり、ここ5年間ほどで大幅な円安が起きたのは「2012年末~2013年春(1ドル80円前後→100円台)」と「2014年末~2015年半ば(1ドル100円前後から125円付近)」の2回である。そして、今回のトランプ相場が「3回目」になると私は考えている。

1回目の円安はとてもシンプルだ。民主党の野田首相が国会解散を突如宣言した2012年11月半ばから円安が始まり、12月半ばに経済政策のレジームチェンジを掲げた安倍首相が誕生するまでの過程で1ドル90円前後までの円安・ドル高が進んでいる。

さらに安倍首相は、従来から日銀の政策を強く批判してきた経済学者の浜田宏一氏(イェール大学名誉教授)を内閣官房参与に、黒田東彦、岩田規久男両氏を日銀の新たな総裁・副総裁に据える人事を断行。政府と日銀のあいだでは2%のインフレ目標協定が実現し、2013年4月からベースマネーを2倍に拡大させる大規模な量的・質的緩和(QQE1)がはじまると、ドル円相場は一挙に100円台の大台に乗せた。