大谷翔平のWBC出場辞退が発表された。

 理由は右足首の故障だ。昨秋の日本シリーズで走塁の際に痛めた部分が完治せず、ベストの状態でプレーできないことから辞退を決断したという。

 いうまでもなく大谷は投打でミラクルプレーを見せ続けている日本球界の宝。世界一決定戦だからといって、ここで無理をして故障を悪化させては元も子もない。辞退は仕方ないだろう。

球団が出し渋っているわけでは
ないがMLB組は青木だけの寂しさ

 それにしても今回のWBC日本代表は辞退者が続出している。NPBではショートの候補として招集されていた中島卓也(北海道日本ハム)が体調不良を理由に辞退。その代わりとして名前があがった今宮健太(福岡ソフトバンク)も昨秋、右ひじを手術しており、回復への影響を考えた球団が出場に待ったをかけた。

 MLB組は今回が3度目の出場となる青木宣親外野手(アストロズ)を除く全員が不参加となった。不参加の経緯は明らかになっていないが、多くは辞退したと見られる。WBCは投手陣の質で成績が左右されるため、MLBで活躍する上原浩治(カブス)、岩隈久志(マリナーズ)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、前田健太(ドジャース)、田中将大(ヤンキース)らが出場しないのは痛い。

 この5人の投手、過去のWBCには出場している。2006年の第1回大会には上原、2009年の第2回大会には岩隈、ダルビッシュ、田中将が出場し優勝に貢献しているし、ベスト4に終わった2013年第3回大会には田中将と前田が出場した。いずれもNPBの球団に在籍していた時だ。

 上原と岩隈は年齢的な面や、優勝に貢献したことで「日本代表での務めは果たした」という思いがあるようだが、ダルビッシュ、田中将、前田の3人は球団から「シーズン開幕前の大事な時期にWBCで力投して故障でもされたらたまらない」とストップをかけられているといわれる。また、本人の意識もMLBで好成績を残すことが第一で、WBCに対するモチベーションは薄れているようだ。