先週は北海道日本ハム・大谷翔平の来季年俸額が巷の話題になった。

 5日に契約更改を終えた大谷は自ら来季の年俸が2億7000万円であることを明かした。今季の2億円から7000万円の増額。これは高卒5年目の選手としては同じ日本ハムに在籍したダルビッシュ有の2008年の契約更改と並んで史上最高額だ。しかし、投打二刀流で残した堂々たる成績、チームの日本一への貢献度、パ・リーグのMVPに加え投手とDHでのベストナイン受賞、そして並外れた身体能力を生かしたプレーの凄さと注目度、人気から見ても大谷は現日本球界ナンバーワンの選手。これ以上の年俸で契約を更改した選手は10人以上いるし、大谷がこの額というのは、いくらなんでも安すぎるのではないか、というわけだ。

 こういう議論が巻き起こると、色々な憶測が出てくる。たとえば日本ハムのリーダー的存在が中田翔で、その年俸は2億8000万円(推定)。中田の顔を立てるために超えないようにしたという説などだ。大谷本人はこの額で納得しているようだし、外野がとやかく言うことではないが、プロ野球に限らずJリーグなどの年俸契約制のプロは、このようなチームのバランスを考えた査定が往々にしてある。

 だが、その他の大半のプロスポーツは基本的に「試合に勝ってナンボ」の、賞金を奪い合う戦いを行なっている。その競技で戦っているプロ選手は大きなタイトルを獲ること以上に、その年最も賞金を稼いだ実績、つまり賞金王になることが大きな勲章になるのだ。

 年末は、その賞金王を巡る争いの決着がつく時期で、プロ同士の意地がぶつかり合う熱い戦いが見られる。

プロゴルフはすでに決着
公営競技は年末に大一番が控える

 すでに結果が出ているのはプロゴルフツアー。今季最終戦の日本シリーズJT杯が先週行われ、2位になった池田勇太が年間賞金を2億790万円に積み上げ、初の賞金王に輝いた。この大会まで賞金ランクは1位が池田で2位の谷原秀人が約3000万円差で追っていた。優勝賞金は4000万円で、谷原が優勝して池田が下位に沈めば、逆転賞金王の可能性があったわけだ。どちらにとっても初の栄誉であり、緊張感のなかでプレーをしていたはず。谷原は優勝に2打及ばず5位に終わり、池田が逃げ切ったが、そうした背景を知っていれば、選手の心理面も含め試合をより楽しめたわけだ。