なぜ日本人は「べき論」を振りかざして衝突するのか「べき」を考えることが悪いのではなく、押し付けるから怒りや衝突が生まれます

 皆さん、こんにちは。澤です。

 今回は「アンガーマネジメント」第四弾になります。

前回は具体的なアンガーマネジメントの手法をご紹介するに当たり、3つの暗号があること、そしてそのひとつ目の「6秒」を取り上げました。

なぜ日本人は「べき論」を振りかざして衝突するのか

 6秒とは、怒りのピークの持続時間であり、その間に発する言葉やとる行動は、後悔につながるリスクがあること、また、その6秒をやり過ごすために効果的なメソッドも併せてご紹介しました。

 試してみた方もいらっしゃいますよね?どんな感じでしたでしょうか。「衝動的な怒り」をコントロールして正しく怒るためには、練習が必要です。ぜひ皆さんでトライしてみてください。

 さて、今回は、暗号のふたつ目、「三重丸」をご説明します。

怒りの正体は「~べき」

 ふたつ目の暗号の「三重丸」の説明をするためには、怒りの正体を明らかにしなくてはなりません。私は怒りの正体を理解することこそ、アンガーマネジメントの本質に迫ることが言えるのではないかと思っています。

 人は、「ほかの人」「出来事」「モノ」に対して怒りを抱きます。その怒りの正体は、「べき」という言葉で表すことができます。

「~~であるべき」「~~するべき」という使い方をする「べき」のことです。この「べき」は、人それぞれの人生が続いていく中で醸成されていくものであり、生まれ育った環境、親兄弟との関係、学校や職場でのさまざまな経験によってどんどん固まっていくものです。そして、日本アンガーマネジメント協会において「すべての『べき』は正解である」と定義しています。