「パパ活」という言葉をご存じだろうか?近年、主に若い女性たちの間で密やかに行われている、「パパ(金銭的援助をしてくれる男性)」を求める活動のことである。「パパ」といっても、一昔前の「愛人関係」という形とはやや異なる。(文/清談社 藤野ゆり)

「周りがやっているから…」
女性にありがちな「パパ活」への入り口

 パパ活女子たちが求めるパパとの関係性に、情婦や愛人といった単語の持つ生々しさはない。彼女たちは悪びれもせず、まるで「彼氏ほしいなー」と口にするぐらいの気安さをもって、「パパがほしい」と語る。一体、「パパ活」とは何なのか。そして若い女性たちの間にいま何が起きているのだろうか?

「私も以前は、パパとセックスしてお金をもらっているような子を軽蔑してた。あの頃は考え方も若かったですね(笑)」

あっけらかんとパパに金銭援助をしてもらうパパ活女子たち。ブランドものはもちろん、ヨーロッパ旅行や、ベンツまで貢いでもらう猛者もいるという

 そう笑いながら話すのは銀座でエステティシャンとして働く、伊藤ユミ(仮名・24歳)だ。

 細身ですらりとした手足、芸能人のような小さな顔。一般人のなかではかなり目立つルックスをしており、大学時代はミスコンにも出場したという。ブランド品が大好きな彼女は昼の仕事の給料だけでは足りず、空いた夜の時間や休日を使って、ラウンジで働いていた。そこには「パパ活女子」が大勢いたという。

「ネットで探すとか方法はいろいろあるみたいだけど、私の周りのパパとの出会い方は、大体が店の客。店にくる金払いのいい客が、お気に入りの女の子に『月20万でどう?』とか話を持ちかけてくる。逆にいいパパになりそうな男に、自分から誘いをかける子も結構いた。ラウンジで働き始めた当初は、いくら報酬がよくてもおっさんと手をつなぐことすら、私には無理って思ってました」

 しかし、「パパ活女子」が周囲に大勢いる環境で、最初は軽蔑し汚いと見下していたその心も揺らぎ始めたという。

「だって女子だけで話すと、今週はミュウミュウのスニーカー買ってもらったとか、今度はヨーロッパ連れてってもらうとか、中にはベンツを買ってもらってる子もいた。みんなすごく楽しそうでキラキラして見えて……、昼も夜も必死に働いている自分が馬鹿らしくなっちゃった。簡単だからユミもパパ作ったほうが絶対いいよ!って言われ続けて。パパは若い子とデートできて癒される、私もお金もらえて嬉しい。win-winなのかもって思うようになりました。別に誰か傷つけるわけでもないし」

 こうして彼女はラウンジで働き始めて数ヵ月で、「パパ活女子」の仲間入りを果たすこととなる。