福島第一原発事故以降も
原発広報を変えなかった

 09年といえば、WHを買収した西田厚聰社長から、原発一筋でやってきた佐々木則夫氏にバトンが渡り、原発イケイケ時代。全世界で39基を受注して原発売上高を1兆円にするとぶち上げ、「いくぞ1億火の玉だ」みたいに社員の士気もあがっていた時代である。そんな将来有望事業をPRサイトに入れるのは、どんな企業でもやりがちな話なので、それはいい。

 問題は、2年後に起きた福島第一原発事故以降の対応だ。

 これを機に世界の原発ビジネスの環境も激変したが、東芝は「17年には売上1兆円」と、基本スタンスを頑なに守った。それは「星の王子さま」サイトも同じだった。14年に反原発でおなじみの「東京新聞」から、明らかにネガ記事目的の取材が入っても、広報・IR室は「自分の星を大切にするというテーマが、社の考えに合致する」(14年5月19日 東京新聞)と原発事故以前のステートメントを繰り返した。

 そのあまりの頑なさを、「東京新聞」は以下のようにチクリとやっている。

《原発が王子さまに紹介される様子は、福島原発事故以前に、原子力が地球温暖化対策のクリーンエネルギーとして語られていた時代のままだ。東芝にとって原発は「社の環境課題に貢献する製品やサービスの一つ」という位置付けだ》(同上)

 あれだけの大きな事故を起こしたのだから、その不安に向き合ったコミュニケーションをするべきだが、このサイトからはそういう発想すら感じられない。事故によって原子力に対する世論、原発ビジネスをする環境が激変したのは、原発事業をやっていようがいまいが、誰がみてもわかることだ。