大企業は出世競争が厳しいため、なんとなく社内での"淘汰"が激しそうなイメージだが、むしろ本当に激しいのは中小企業かもしれない。大企業は、出世競争や自分のポジションを本人が深刻に考えなければ、仕事ももらえるし安定している。対して人手の少ない中小企業は、"できない人"と思われたらそれまで。明確に仕事が来なくなる。

舵を取りたいなら中小企業?
ただしワンマンに注意

 出世競争や社内でのポジションに関するコメントにも出てきたが、企業規模の違いは、社内連携やプロジェクトチームの差異も生んでいるように感じる。そこで「社内体制」という視点で大企業と中小企業の比較を考えた。

 これについて、大企業から中小企業へと転職したある男性(39歳/教育関連)は、こんな意見を言う。

「前職は全国規模の企業で、一つのプロジェクトをやる場合にいろいろな業務を多くの人で分担して進めた。その分、言ってしまえばどんな能力の人でも一定の仕事に関われる。関われる仕事が用意されている。一方、今の企業(中小)は属人的な部分が大きいので、仕事ができない社員や主体的に動かない社員はやることがなくなる。大企業は窓際族でも仕事があるが、中小企業は本当にない。中小企業で窓際族になったら肩身が狭いと思う」

 中小企業は1案件に関わる人が少ない分、個人の力量が重要になる。それが、目に見えないシビアな社内評価につながるといえよう。さらに、男性はこんな比較も口にする。

「小規模企業は、プロジェクトをほぼ1人が主体で進められることも多い。上司も少ないので、何かの承認を得るにも柔軟で小回りがきく。大企業の場合は、自分が裁量を任される範囲が狭くなりがちだし、上司も多くて承認がたくさん必要。自分が舵を取りたい人にとっては、中小企業の方がやりがいを感じやすいのでは」

 もちろんすべてのケースに当てはまるわけではないが、人数の多い大企業はそれだけ上にいる役職者が多い。何かをする際に多くの承認が必要になる。「自分の思い通りに進める」という意味では、中小企業に利があるかもしれない。

 ただし「中小企業はワンマン経営のケースも多いので、トップの意向に社員が振り回されることもある」(35歳男性/イベント)という意見もいくつか聞かれた。中小企業の場合は、両極端になりがちという現実もあるだろう。