プロ野球が当初の予定より18日遅れで開幕する。例年なら開幕戦は華やかな雰囲気が漂うが、今年は趣の異なるものになるだろう。固い空気の中で淡々と試合が始まるはずだ。

 他にも今年の野球界は様々な変更がある。まずプロ野球。開幕が半月ほどずれた5節・約15試合は、当初の予定の終了後の日程に組み込まれる。そのため例年なら10月中旬から始まるクライマックスシリーズ→日本シリーズのポストシーズンは10月29日のスタートになる。初冬ともいえる11月下旬までシーズンが続くことになるのだ。

 また、電力の逼迫から東京電力、東北電力管内の4月中のナイターはデーゲームに変更。延長戦になった場合も3時間30分を超えたら新しいイニングに入らない規定が設けられた。

プロの日程変更に大学野球も協力
巨人の開幕戦地方開催は超レアケース

 このナイター自粛で苦労したのが東京ヤクルトだ。ホームグラウンドは東京六大学や東都大学のリーグ戦が行われる学生野球の聖地・神宮球場。ヤクルトは間借りをしている立場で、自由に試合時間の変更はできない。

 だが、両連盟もこの非常事態を酌み、協力することになった。通常、両大学リーグは1日2試合行われ、第1試合が11時、第2試合が13時30分開始だが、プロが使用する日は1試合にし開始時間も10時に早めた。こうすることでプロのデーゲームを可能にしたのだ。

 また大学の試合自体も長時間ゲームでナイターになることを避けるため、第1試合を10時、第2試合を12時30分の開始とした。東京六大学・東都大学野球のファンは試合開始が例年より1時間早くなることを覚えておいていただきたい。

 プロ野球の開幕が4月12日にずれたことで、巨人の開幕試合・対ヤクルト戦が山口・宇部市野球場(ユーピーアール・スタジアム)で行われることになったのも非常時ならではの珍事だ。