本筋である「国有地払い下げ問題」に
追及の的を絞るべき

 そもそもの本筋とは、「国有地払い下げ問題」である。

 今回の土地取得におかしな点があるのは明らかだ。バブル期にも国有地払い下げにはきな臭い話がついてまわった。政財界に人脈のある仕手筋や、その関連の財団法人にポコンと国有地が転がりこむ、なんてこともちょくちょくあった。

 そんな「国有地払い下げ」に「政治」が強く影響するというのは、安倍首相も一目置く「大物ジャーナリスト」も指摘している。ナベツネの愛称で知られる渡辺恒雄・読売新聞会長だ。ナベツネさんは、日本経済新聞の「私の履歴書」のなかで、若かりし日の政治記者時代を振り返りつつ、1968年、読売新聞の新社屋をたてるための国有地払い下げをめぐる「暗闘」を披露している。

 《そのころ読売新聞は大手町の国有地払い下げ問題で佐藤栄作首相と対立していた。大蔵省は省議で払い下げを決めたのに、佐藤さんと親しい産経新聞の水野成夫会長がひっくり返し、読売の副社長務台光雄さんは激怒した》(日本経済新聞2006年12月21日)

 その後、なんやかんやあってこの読売・産経戦争は終結し、国有地は読売に払い下げられることとなった。社内闘争でワシントンに飛ばされることとなったナベツネさんが、佐藤首相に挨拶に行くと、こんなことを言われたという。

「餞別代わりにあの土地を払い下げます」

 ナベツネさんは、読売・産経戦争という問題が解決したことを伝えるためのジョークだという。いずれにしても、ここからは「国有地」というものが政官マスコミの間では、政治的カードとしてとらえられている事実が浮かび上がる。

 もちろん、ナベツネ記者の時代の「常識」がそのまま今も通用するとは思えない。ただ、その後も六本木や西戸山の国有地払い下げで、大蔵省の不自然な肩入れや、建設省幹部の天下りなどの疑惑が指摘されてきた、朝鮮学校やマスコミの国有地払い下げでは、なにやら不透明な動きがあるのは事実だ。

 森友学園の教育方針は筆者だって異様だと思うし、自分の子どもは絶対に通わせたくない。多くの日本人がそう感じるだろうから「安倍首相がんばれ」と子どもが宣誓する映像を公開すれば、マスコミも取り上げてくれるし、質問をした自分たちの名前も全国区で取り上げられる。つい民進党議員たちがこの方向に流れてしまう気持ちはわからんではないが、そこには「特大ブーメラン」という「罠」が待っている。

 きっちりと疑惑を追及して成果を出したいのであれば、ブレることなく、国有地払い下げの経緯を徹底解明する。ここに集中することこそが、野党の正念場ではないのか。