例えばあなたが火の中に手をつっこんだとしましょう。手をどけるようにと誰かに言ってもらう必要はありませんし、決断するまでもありません。自分で指示を出さなくても、火傷しないように自然に手が引っ込みます。

 これと同じで、問いかけを通じて、真実と異なる考えが苦しみを引き起こしていることを理解すると、そこから自然に離れることができるようになります。考えが発生する前は、苦しんでいなかったのです。考えをもつことによって、苦しむのです。

 自分の考えが真実ではないと気づくことで、苦しみはなくなります。それがワークのしくみなのです。

 次のような感じになります。
「そう考えるとき、私はどのように反応するだろうか?」――手は火の中。
「その考えがなければ、私はどうなるだろうか?」――手を火から離す。

 考えに意識を向け、手が火の中にあるのを感じると、自然にそこから離れます。そうするように人から言ってもらう必要はありません。そして次に同じ考えが浮かんできたら、自動的に火から離れるようになります。

 ワークは、内面の原因と結果に気づくよう、促します。そうした関係に、ひとたび気づいたなら、あらゆる苦しみが自然に解きほぐされていくのです。
 


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