そもそも麻衣さんは立場的にも、年齢的にも、経験的にも、不倫という二文字とは最も縁遠い存在でしょう。大学は「学問の聖地」ですから、邪な気持ちを抱く学生などいないはず。2人の年齢差は23歳。親子ほど年の離れたオジサンに恋愛感情を抱くとは。しかも、麻衣さんは今まで男性経験がなかったそうです。しかし、ある出来事が世界を一変させます。そこから「禁断の愛の序章」が始まったのです。

 麻衣さんは誰にも知られたくない「過去のトラウマ」を心の奥底に抱え、今まで生きてきました。その正体は両親の離婚。当時、麻衣さんは中学生でしたが、思春期に経験した「父親との離別」は心の傷として今でも残っています。

 麻衣さんの父親は開業医をしており、40代の若さで県医師会の理事長を務めていました。表向きは地元の有力者ですが、裏の顔はまったく別人でした。父親はもともと酒癖が悪く、家の中で暴れるのは日常茶飯事。麻衣さんの母親に手を上げることも多く、命の危険を感じ、麻衣さんと母親は逃げるように家を後にしたそうです。それから1年後、裁判で離婚が成立しました。

離婚後も父親と定期的に面会
メールで暴言を浴びせられ…

 離婚もトラウマの1つですが、麻衣さんにとって、さらにショックだったのは離婚後の「父親からの追い打ち」でした。世の中では子どもが両親の離婚を目の当たりにすると、非親権者(今回の場合は父親)に対し嫌悪感を持ち、疎遠になるのケースが大半です。しかし麻衣さんは、日ごろ母親から父親の悪口を聞かされていたにもかかわらず、「こんな人間でも父親は父親。血がつながっているのだから」という親子としての情は持っていました。

 離婚後、父親からは定期的に「話を聞いてあげよう、相談にのってあげるぞ」とメールが届きました。麻衣さんは乗り気ではなかったのですが、何とか父親との関係が途切れないよう、食事や買い物をしたり、映画を見たり、気が進まないながらも父親に付き合ったのです。しかし、父親は麻衣さんの気持ちを汲むこともなく、メールで暴言を浴びせてきました。

「どうせ金のための面会なんだろう。父親を何だと思っているんだ」
 (注:父親は麻衣さんのために毎月30万円の養育費を振り込んでいます)
「○○(母の名前)に似てきたな。本当に俺の子なのか」
「なぜ学園祭に呼んでくれないんだ。俺は父親だぞ」

 これは当時、父親が送ってきたメールの文面です。