杉田 時折見られるケースとして、人事担当者が「今年度の我が社の予算は?」と聞かれた際にすぐ答えられないなど、ビジネスへの関心が弱いこともあります。やはり自社の強みを、数字でもって語ってほしい。

 ですから、どちらかといえばマーケティングやセールスに携わっている感覚の強い人が向いていると思います。普段から相手方の事情を把握するのに敏感ですから、「候補者が何を求めているのか。何がボトルネックになっているのか」をちゃんと聞き出し、理解して話せるのです。

 これまでは会社が候補者を評価し、採用判断するスタンスがあったと思いますが、今それはあまり通用しないのではと感じています。

 むしろ候補者が会社を選ぶ時代ですから、相手の聞きたいポイント、求めているポイントを理解して、自社をうまくアピールできるのが相当に大事だと考えています。実は私自身も、日本マイクロソフトには直接声をかけられて入社しました。

多田 杉田さんご自身も直接声がかかって入社されたんですね。どのような経歴でマイクロソフトに?

杉田 新卒で旭化成に入社し、工場の人事に携わることになってから、ずっと人事畑です。

 旭化成在籍中にロンドン留学したのが契機となって転職し、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アストラゼネカなどの外資系ヘルスケア企業で働いてきました。テクノロジー業界は2016年の7月からで、まさに「チャレンジ」です。最初に勤めた会社がメーカーでしたので「製品のある」会社が好きだなと思っていました。

 しかし、マイクロソフトから直接声をかけてもらって、会社を知るうちに様々な魅力に気づけたのです。世界中に大きなインパクトを与えている会社だけあって、優秀な人材も多く、その人たちが非常に高いモチベーションで働いている。会社の仕組みや目指している地点もよくできているんですね。私にこの職務が果たせるかどうかはチャレンジになりますが、私自身の興味や面白さの気持ちが勝りました。

多田 これまでも、企業から直接に声をかけられたことはあったのですか?

杉田 いえ、今回が初めてです。最初は冗談か何かの罠ではないかと思ったものです(笑)。実体験をもって会社を語ることができる人事の重要性を感じています。

多田 日系企業と外資系企業の両方を経験された杉田さんから見て、日系企業と外資系企業の採用手法の違いを感じますか。