民間の配食サービスをプラス
私はEさんに、「スーパーで売っているお惣菜を利用したり、民間の配食サービスを頼んでみては?」と提案しました。
私の周囲にも「配食サービス」を利用している人は何人もいますが、食べやすい柔らかさや形状に工夫がされ、栄養バランスも考えられていて、味もいいようです。
Eさんは「出来合いの惣菜では申し訳ない」「手作りの料理が一番」と思い込んでいたようですが、「余裕があるときには、Eさんの手料理を食べてもらえばいいでしょう」と言うと気がラクになったようでした。
最近は、自治体と配食事業者が提携して高齢者向けの配食サービスを実施するケースも増えています。
要介護認定に関係なく利用できる場合が多く、昼食・夕食の1日2回配達してくれたり、きざみ食やおかゆが選べたりします。
なにより安心なのは、食事を直接手渡しすることで安否確認をしてくれる点です。
地域包括支援センターや市役所が窓口になっていることが多いので、一度、相談してみましょう。
「味が飽きる」「値段が高い」という方には、緊急時や困ったときに短期間だけ、あるいは一時的にといった臨機応変な利用をおすすめしています。
以前のEさんは、食事の支度をする日がくるといつもイライラしていましたが、スーパーで買ってきたコロッケを「おいしいな」と喜ぶ父の姿を見て、たまには手を抜いてでも自分に余裕を持つことが大事だと感じたそうです。