もっともラミレスは報酬のことは、まったく頭にないようだ。MLB時代はトラブルメーカーの問題児といわれていたが、バッティングに関しては探究心旺盛。イチローをリスペクトしていて、そのイチローを生んだ日本の野球を学びたいという思いがあったそうだ。そして同年代の43歳の今もMLBでプレーを続けるイチロー同様、体が動く限り野球をしていたいというのが高知入りの動機らしい。

 ただ、凄い選手であることは確かで、球団側は待遇には相当気をつかっている。住居は高知で最もグレードの高いホテル、遠征先への移動はベンツ、練習や調整方法は自由、試合では4番DHの起用を保証。そして、高知でのプレーがNPBの球団の目にとまり、オファーがあった場合は喜んで送り出すという。

四国、北信越、大阪に独立リーグあり
出張や旅行の際に触れてみては?

 ともあれ四国の野球ファンからすれば、少々トシは取っているもののMLBで頂点を極めたスターが目の前でプレーするのだから、今からワクワクだろう。昨年までの四国アイランドリーグplusの平均観客数は553人だったそうだが、今年はラミレス効果で急増するのは間違いない。

 実は筆者は日本の独立リーグは2006年に北信越で創設されたベースボール・チャレンジ・リーグだけしか観戦したことがないが、なかなか楽しいものだ。まず、地方ののどかな球場の雰囲気がいい。そして、そこで行われる試合は見ごたえがある。厳しい環境で野球を続けているのは、自分のプレーがNPBの球団の目にとまり、契約を勝ち取りたいという思いがあるからだ。当然、レベルは高く、そこにハングリー精神が加わって、思いがけない好プレーが見られるのだ。

 実際、独立リーグからNPBに入って活躍している選手もいる。その代表格が千葉ロッテの角中勝也外野手だ。甲子園に出場できなかったためNPB球団の目にとまらず、2006年にラミレスが入った高知に入団。ここでの活躍が認められて、この年にロッテからドラフト7位指名を勝ち取った。入団後4年ほどは2軍暮らしが続いたが、5年目に一軍に定着し、6年目の2012年には、いきなりパ・リーグの首位打者になった。そして2013年のWBCに出場。昨年も首位打者に輝いた。

 また、同じ四国の香川オリーブガイナーズからは昨年、中日の中継ぎとして62試合に登板し6勝6敗16ホールド、防御率2.80という好成績を収めた又吉克樹投手や、同じ中日で1軍に定着している亀澤恭平内野手、東京ヤクルトのユーティリティプレーヤーとして認められている三輪正義内野手が出ている。高知時代に角中、香川時代に又吉のプレーを見ていた人にとって、その成長ぶりはうれしいものだろう。もちろん独立リーグからNPB入りしても成功する選手は一握りだが、そうした楽しみもあるわけだ。