昨年から引き続き途切れることのない不倫報道。「社内不倫」という言葉には、甘美な響きと、それ相応のリスクを思い起こさせるものがある。会社に関係しない不倫であれば「離婚」や「慰謝料」などがそのリスクとなるが、会社に関係した不倫はここに「異動」や「社内での孤立」といったさらなるリスクが追加される。社内不倫がバレた場合、どのような措置が待っているのだろうか?経験者数名に、事の顛末を聞いた。(取材・文/藤井弘美)
誰にでも起こりうる
社内不倫の誘惑
怒涛の“不倫”報道が続いた2016年に引き続き、今年も芸能人の不倫が報道されている。ひとたび不倫報道が起こると巻き起こるのがバッシング。昨今は特に、擁護する人はほぼ見られない。擁護すれば「もしかしてこの人も」と疑われること必至だから、致し方ないところだろう。
しかし実際のところ、家族や友人、同僚など知り合いに1人も「不倫経験者」がいない、という人はなかなかいないのではないだろうか。以前の記事『「家族の不倫」に巻き込まれた人の苦悶煩悶エピソード集』の最後でアンケートを取ったところ、知り合いに不倫経験者がいると答えた人は半数を超えた。
不倫は、少なくとも現代日本においては道徳的観点からいって悪であるし、リスクを考えれば余程の思いがないと踏み切れるものではない。しかし人間の恋心や性欲というものは「余程の思い」といって差し支えのない強い衝動であり、いとも簡単に不倫という高い壁を乗り越えさせてしまう。
社内不倫という言葉には、「秘密の恋愛」といった甘美な響きや、「バレたらおしまい」といった破滅的なニュアンスを想起させるものがある。破滅の可能性は恋愛や性交を盛り上げるスパイスとして作用する節もあり、「社内恋愛」の甘美さをさらに高めている。証拠に、というわけでもないが、社内不倫はドラマや特にマンガでひっきりなしに採り上げられるテーマであり、一定のジャンル・シチュエーションとして人々がそこに何かしらの夢を見ているのが見て取れる。創作物の中で語られる社内不倫は主に甘い部分にフォーカスしている。