スノーデン氏が属していた
NSAのコア技術と同レベル
2017年にIPOを果たすと予想されるテクノロジー・スタートアップの中で、もっとも注目を集めているのは、「パランティア・テクノロジーズ」(Palantir Technologies)だろう。
シリコンバレーを拠点にする同社は、データマイニング技術を開発する。多様なデータを大量に集め、それを分析して探しているものを見つけたり、パターンを見いだしたりするという技術だ。同社は、ペイパルの共同創業者で有名な投資家であるピーター・ティール氏が2004年に共同創設した。
同社の企業評価価値は、現在200億ドル。普通ならば、IPOが待たれる企業への期待は大きいものだろう。だが、パランティアに関しては、明るい注目ばかりが集まっているわけではない。なぜなら同社のデータマイニング技術は政府の諜報活動、ことに個人を対象にしたスパイ活動に最適なものだからだ。
パランティアのキー技術は、「XKeyscoreプログラム」である。同社は、現在の顧客を大きく政府と金融業界とに分けているが、XKeyscoreは、エドワード・スノーデン氏が2013年に明らかにしたNSA(国家保障安全局)の監視プログラムにも利用されていたことが知られている。
このXKeyscoreプログラムでは、互いに無関係な大量のデータを集めて分析し、その中からパターンを見いだす役割をする。たとえば、メール、チャット、ウェブブラウジングの軌跡、写真、文書、ボイスコール、ウェブカメラ、キーボードの操作などがそうしたデータに含まれる。