日本自動車工業会(自工会)は、2017年度の自動車国内需要見通しを500万300台(前年度比2.0%増:内訳は登録車が325万8300台[同1.9%減]、軽自動車が171万4200台[同1.3%増])と予測した。
一方、今年度の見通しは503万8300台(同2.0%増:内訳は登録車が331万1930台[同6.2%増]、軽自動車が171万9000台[同5.2%減])の見込み。西川廣人(さいかわ・ひろと)自工会会長は「税制の影響がここ数年続いたが、緩やかな経済プラス成長とともにようやくこれを脱してきた」との見方を示した。
これにより日本国内の新車市場は2年ぶりに500万台超えとなり、次年度も500万台乗せを見込んでいる。世界の自動車市場は、9000万台から1億台を睨んで新興国市場を中心に伸びる傾向にある。その中で市場規模は、中国2800万台、米国1700万台で2大市場となっている。
世界の自動車各社のグローバル戦略も、圧倒的に市場の大きい中国と米国での販売拡大と収益力強化が大きなポイントとなっている。国別で見ると、日本市場は中国、米国に続く世界3位の座にあるが、国内需要のピークはバブル末期1990年の777万台。それ以降は低迷が続き、現在では500万台の攻防だ。
自工会は今年度の500万台の回復と次年度の500万台の確保の見通しを発表したが、今後、日本の自動車市場は中長期的に見て500万台を維持できるのだろうか。
4月1日付けで日産社長となる西川自工会会長は、これについて「足元の直近4ヵ月は増加傾向にあり、昨年9月に行った年度見通しから20万台ほど上振れして500万台超えとなった。来期は秋に東京モーターショー開催もあり、後半に各社から魅力ある商品が投入される予定だ。2017年度も500万台超えする」と見ている。
確かに国内新車販売は、昨年11月から連続して前年実績を上回る流れを見せている。各社が投入した新型車が牽引した登録車が好調に推移し、軽自動車増税の影響と燃費問題で低迷が続いた軽自動車も回復傾向にある。これは、2016年の暦年(1~12月)実績では497万台となり、逆に5年ぶりに500万台をわずかに割る水準にとどまっており、昨年後半から今年にかけての回復傾向が顕著になっていることを物語っている。