仮想通貨やブロックチェーン、AIなどの新しい技術は、実際の生活の中で誰でも利用できるようになった。これは、大きな変化だ。
以下では、これらの新しい技術のうち、仮想通貨の利用を中心として、その可能性を探ることとしよう。
メガバンクも実用化目指す
投資だけでなく、身近な利用も
2016年12月に閣議決定された税制改正大綱によって、17年7月1日以後は、仮想通貨の取引にかかる消費税は非課税となる。また、メガバンクが仮想通貨の実用化に向けて実証実験に取り組んでいる。三菱東京UFJ銀行では、今年度中に、社員の間で例えば、飲み会の代金の清算といった口座間の送金などをする実験を始める。こうしたことから、多くの人が仮想通貨を身近なものとして用いることになるだろう。
これまでのところ、ビットコインの購入は、値上がり益を期待した投資目的のものが多かった。しかし、それでは、ビットコインの可能性のごく一部を使ったことにしかならない。
ビットコインがこれまで投資目的に使われることが多かったのは、送金手段としては(潜在的には非常に有望であるにもかかわらず)実際には使いにくいという事情があったからだ。
実際、ビットコインの利用手数料が低いというが、ゼロではない。また、即時に決済できるものでもない。しかし、ライトニングネットワークなど、こうしたことを補うサービスが登場してきた。これによって、ビットトコインの利用範囲が投資対象以外に広がろうとしている。
ただし、技術的には可能であっても、実際には規制などによって利用が制限されているものもある。また、アメリカでは利用可能であっても、日本では利用できないサービスも多い。
したがって、現実の世界でいかなることができるかは、試行錯誤によって探らざるをえない。
また、仮想通貨はこれまでなかった新しい存在なので、どう使えばよいのかは、必ずしも自明ではない。最適な利用法も、試行錯誤で探らざるをえない。