ビットコインの時価総額が史上最高値を記録している。2017年には三菱UFJ銀行の仮想通貨が一般の利用に供されることもあり、金融や通貨に関する基本的な状況が大きく変化すると予想される。
16年には、仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーン技術に対する期待が一気に高まり、金融機関がブロックチェーンの導入に向けてさまざまな実証実験を行なった。17年においては、この動きがさらに加速されるだろう。
ビットコインの時価総額が
史上最高値を更新
ビットコインの時価総額が史上最高値を更新している。
2013年11月末に135万ドルになったが、その後減少していた。15年には、40万ドル程度になっていた。しかし、ここがボトムで、その後増大に転じ、16年12月23日には145万ドルと、史上最高値になっている。
なお、ビットコインの時価総額の計算法にはいくつかのものがあるが、どの計算法によっても、現在の値は史上最高値だ(Bitcoin Magazine参照)。
ただし、現実の通貨の残高に比べれば、まだ比較にならないほど少ない。
もっとも、日本企業の時価総額と比較すると、かなりのところに来ている。145万ドルを1ドル=117円で換算すると約1.7兆円になるが、これは住友商事や三井住友トラスト・ホールディングスの時価総額と同程度である。そして、電通、東レなどの時価総額より大きい。
ビットコインの価格が
1年で2倍に上昇
ビットコインの時価総額が増大したのは、流通量が増大しているからでもあるが、図表1に見るように、2016年初め以降価格が上昇したことの影響が大きい。価格は、16年初めの約435ドルから2倍以上に上昇した。