より好戦的に

 東電は、16年末にまとめられた東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)の提言に沿って、新たな総合事業特別計画を策定しているところだ。骨子では、福島の原子力発電所事故関連コストを賄うべく合理化を進めて収益を上げ、かつ送配電事業や原子力事業において他社との再編・統合を目指すことが明記されている。

そんな中、EP社長時代に幾つものアライアンスを実現させた小早川社長が適任だと、東電の株主である国および原子力損害賠償・廃炉等支援機構などに評価された可能性が高い。

 川村氏は08年度に国内製造業では過去最大の最終赤字を出した日立を、子会社の事業売却など大胆な構造改革を進め、復活させた大物だ。川村・小早川両氏は、事業ごとの再編・統合と収益力向上を進めなければならない東電に、ぴたりとはまるコンビだったわけだ。

 一方で、不安を口にする業界関係者もいる。より積極的に域外へ攻め入る可能性があるからだ。実際、小早川社長は東電EPの域外への拡大戦略をめぐって、業界に波風が立つから自粛しろと、東電ホールディングスの守旧派から何度かくぎを刺されたこともあるほど挑戦的だった。

 自らがホールディングスの社長となれば、そんなこともなくなる。思う存分、域外へ攻め入るようになるかもしれないのだ。

 少なくとも、前体制に比べ、より好戦的な東電となりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)