救われた鼻毛の数は、5月20日時点でなんと4万3200本! 救われたのは鼻毛か、それとも当事者同士の関係か?

 パッと見、パッと聞き、「あってもなくてもどっちでもいいわ!」というサービスほど、人気が出たときの爆発力は大きい。それが不特定多数の人が閲覧できるウェブ上に展開されていれば、なおさらだ。

 そんなサービスの中で、最近筆者が注目しているのは、鼻毛通知代理サービス「チョロリ」

「鼻毛通知代理サービス?」と首をかしげた方、なにもそんなに深く考える必要はない。読んで字のごとく、鼻毛が出ていることを相手を傷つけずに知らせるウェブサービスだ。

 株式会社ZIZOと株式会社人間が共同開発、提供している「チョロリ」の使い方は、とても簡単だ。“鼻毛通知依頼書”なるものに相手の名前とメールアドレス、自分と相手の関係(上司・部下、恋人同士など)を入力し、「どちらの穴から出ているか」「何本くらい出ているか」といった鼻毛の状況を記入する。

 その後、「依頼する」ボタンをクリックすれば、相手に鼻毛通知メールが飛んでいく(送信前にメール本文は確認できるので、ご安心を)。

 恋人や上司などに、鼻毛が“こんにちは”しているのを伝えづらい、言うべきか言わざるべきか迷った経験がある人はかなり多いと思う。

 新たな形態のウェブサービスとは、SNSしかり、“あったらいいな”を形にしたものだ。言いづらいことを相手に気づかれずに(または傷つけずに)伝えられたらいいなと思うことと、需要が発生することは、同じことと言えるのではないか。

 現在(2011年5月時点)までに通知された鼻毛の本数は、なんと4万本を超えている。言いづらいことを相手にわからせるのが下手な日本人に、案外向いているサービスなのでは?

(筒井健二)