人気のプロコーチ堀江信宏氏の初の著者『人生の悩みが消える自問力』(ダイヤモンド社)では、自分に「5つの質問」を投げかけ、自問自答を繰り返すことで、問題が解決したり、悩みが消えることを説いています。今回も、歯科医院の経営者であり、目標達成や願望実現などの著書も多数出版されているビジネス書作家の井上裕之氏と堀江氏の対談の3回目をお届けします。たとえ、今どんな状況にいたとしても、いつでも、誰でも、考え方次第で、望む結果を手に入れることはできる。そのためのカギとなることとは?

目的意識が明確にあると、行動に迷いはなくなる

堀江 「『自問力』の中で紹介した5つの質問の4番目に『これ(この出来事)は自分の将来にとって、どんな意味があるんだろう?』っていうのがあります。それで敢えてお聞きしてみたいのですが、井上さんが昔、交通事故に遭われて、奥様が大変なことになったときの話ですけど、その時はどう思われたのですか?」

井上 「事故にあった直後には、医師から妻が植物人間になるかもしれないと言われました。事故にあった直後には、なんでこんなことになってしまったんだろうとか、あんなことしなければよかったなんていろいろ考えました。でも、その次に考えたのは、本当に植物人間になる状況があるのかな、でも仮に障害は残るんだとした時に、この家族を光り輝かせるために自分には何ができるんだろうなっていうことです。つまり、4番目の質問の答えで言えば、自分がさらに大きく成長するためのきっかけになったということです」

堀江 「なるほど、そういうふうに考えたのですね」

井上 「家族に何かあっても、どこの家族よりも光り輝く方法が絶対にあるはずだと考えました。自分の人生の目的は何かって言ったら、一つには幸せな家族というのがありました。で、そのためには何よりも自分が成長すべきだっていう結論になったんです。私は歯科医師だったので、まずは歯科医師として一流になることが一番早いので、それを自分の目標としたんです。一流の歯科医師になって、知識や技術を高めていく中で、それに見合った結果として家族も光り輝くというか…」

堀江 「なるほど。井上さんがそこまで成長や一流にこだわっている理由は、そういう所にあったのですね」

井上 「ええ。そうなんでしょうね。そういう目的意識が明確にあると、それが自分の中でのトッププライオリティになるので、行動に迷いはなくなりますし、物凄いエネルギーが出てきます。やっぱり結果を出すためには、そういう自分の目的意識や得たいゴールが明確になっていることがとても重要だと思います」