営業員の縁の下の力持ち

 ですが彼女は、海外工場でのトレーニングを受けているので(2回)、注文を受けることも、見積もりをつくることもできます。

 しかも、受注を売上に計上する際、「自分の名前」にしません。
 営業員の名前で計上するため、営業員はとても助かっています。

 奥田は、「縁の下の力持ち」として大阪支社を切り盛りする、バックオフィスの実質的な責任者なのです。

 日本レーザーの社員が自発的に仕事に取り組んでいるのは、「上から押さえつけられることがないから」です。

 社員が「やってみたい」と思ったことに対して、「それは無駄だからやめたほうがいい」「費用対効果が見合わない」「前例がないからできない」と頭ごなしに否定すれば、社員の自主性は損なわれ、自己組織化は進まないでしょう。

 当社は、トップダウンによる管理はしていません。

 あくまで、社員ひとりひとりの自発的な成長を期待しています。

 たとえば、業務部・購買グループの黒肱香里はフォワーディングカンパニー(国際物流を専門とする会社)を見直すときも、「どこがいちばん安くて、サービスがいちばんいいのはどこか」を自分で決めています。
 社長の私へは、事後報告です。

 社員を徹底して管理するよりも、社員ひとりひとりに裁量権が与えられる。
 そのほうが社員のモチベーションが上がり、組織は成長するのです。