ミラノ・デザインウィークは、もとは1961年にはじまったミラノ家具見本市が母体。いまは国際見本市会場と市内各所とで、大規模なアートイベントへと発展している。
アートと直接関係ないメーカーでも、ライフスタイル企業というアピールの重要性から熱心に取り組んでいるところが少なくない。それが世界中から訪問者を集める理由にもなっている。
好例はレクサスだろう。2005年に出展していらい、考え抜かれたコンセプトと凝った仕掛けとで観客を楽しませてくれている。
2017年、レクサスはまたおもしろいインスタレーション(空間も含むアート表現)を展開した。会場はミラノ中心部のトリエンナーレと呼ばれるモダンアート美術館。そこを真っ黒に覆い、まずミラノ人の度肝を抜いた。
レクサスが真っ暗な空間に用意したメインの展示はガラスで出来た光の柱。「YET」(二律双生)なるテーマの下、建築家でありアーティストであるネリ・オックスマン氏が手がけた。
コンセプトは「Ancient Yet Modern」古典的でありながら最先端だとオックスマン氏は語る。古典的とは「6000年以上の歴史を持つガラスという素材を使ったこと」と同氏。
いっぽう設計は最先端。ブロック状に巻いたガラスを積み上げて、見上げる高さの柱の造型はマサチューセッツ工科大学の技術者が3Dプリンターで作りあげたものだそう。
レクサスでは「YET」を「二律双生」としている。同ブランドのクルマの背景にある思想なのだと説明される。
例をあげれば「高いドライビングパフォーマンスと責任ある環境性能の調和」とレクサスではする。ここから新しい時代に向けて走り出すというのである。