ところが、ある日突然、本人が「痛くて我慢できない。救急車を呼んでほしい」と大声で叫んだ。何事かと思い、救急車を呼んで診療を受けたところ、すでに病原菌が足の膝に感染し、壊死状態になっていた。両足を切断せざるを得ない状況だったという。

「困った」「助けて」と言えない人たち。そんな引きこもらざるを得なかった人たちの一面が、今回の報告書から浮かび上がる。

「一緒に暮らしているようで、暮らしていない。こうなるまで家族の誰も気づかない、希薄な関係性が見えてくる。今日は元気かなとか、純粋な関心だけは向けていてほしかった」

 同家族会のスタッフは、そう明かす。

 第三者による介入の在り方については、本人がサポートを望んでいるのかどうか、緊急性があると客観的に判断できるのかどうかを見極める必要がある。いきなり知らない人から訪問されることに、どれだけ本人たちが恐怖感を抱いているか想像もできないような“支援者”に訪問されたことによって、よけいにこじれてしまった事例も数多く報告されているからだ。

 なぜ、支援が途絶してしまったのか。同報告書には、58事例に関する検討が加えられ、実際、家族側から見た「支援の途絶」26事例の背景が、「生の声」として紹介されている。