震災後に売れた
『「折れない心」をつくるたった一つの習慣』
――お客さんの層はどういう人が多いんですか?
上坂 実は以前は30代の方が多いと思っていたんです。ところが、三笠書房さんの『20代でやっておきたいこと』を並べたところ、物凄くよく売れたんです。続編の『30代でやっておきたいこと』も後で並べたのですが、やっぱり『20代』の方が売れるんです。この本が売れたことで、「このお店は20代が多いんだ」ということが証明されました。それ以降、ここは「20代のお客さんが多い書店です」とはっきり言えるようになりました。
――震災後は本の売れ行きは変わりましたか?
上坂 ちょうど3月の終わり頃に、青春出版社さんから『「折れない心」をつくるたった一つの習慣』という新刊が出たんです。これは最初は普通においていたんですが、売れ行きがよかったんです。そこでひょっとして「いまのような震災後の情況にあった本なのかな」と思って、思い切って大量に注文してみようかと思いました。そうしたら背中を押してくれる人もいて、お店で大きく展開してみたら数字がすぐに出ました。
それを本部の人が知って、出版社さんにかけあってくれて「有隣堂のオススメ」と書いた専用の帯をつくってもらいました。
――ということは、このお店から火がついたんですね。
上坂 そう言い切っていいのかどうかわかりませんが、ああいう情況で皆さんが読みたくなるような本を多くの人にお届けできてよかったなと思います。
――いまもキレイに展示されて置かれていますね。
上坂 大量に展開するのは月に1、2回しかやりませんが、並べて積むときはただ平坦に並べるのではなく、視覚を刺激するようなことを心掛けています。たとえば、段差をつけてみたり斜めにしてみたりと工夫するようにしています。