ビジネスの世界では当たり前の話だが、いいものができただけでは売れない。パッケージから売り方に至るまでのトータルなプレゼンテーションは、負けず劣らず重要である。しかし、さぬきでは、そのノウハウも能力も期待できなかった

 こうした場合、言葉で説明しても限界がある。むしろ具体的な形で見せ、全国のレベル感を察知してもらおうと考えた。従来の「目立ちたいだけ」の包装と何かが違う、と分かれば、今後パッケージを考える際の発想の枠が広がるはずだ。

 商品化に至るスキルがフルセットで揃っていないこともまた、「地方の現実」である。町おこしには、外部の力を上手にお借りすることも、必要なのだと思う。

日本一長い(?!)名前

 こうして、東京チームでパッケージングのアイデアを次々と考えていった。

ロゴマークには「縁を結ぶ」という願いを込めた。色は、慶事に用いられる赤だ。

 まず、土産物の象徴であるロゴマーク。4つの円(縁)の集合で四国をイメージし、結願の「結」の文字で全体を結んだ。四国四県、作り手と買い手、贈り手と受け手の縁を結ぶようにとの願いが込められている。

 ネーミングも、お遍路の心を表わすことを最優先に考えた。そして八十八ヵ所にちなみ、八十八文字で言い表すこととした。ひょっとすると、お菓子の名前としては、日本一長いかもしれない。

 その名前が、これだ。