膨大な数のIoT機器がサイバー攻撃の標的になる悪夢 Photo by Masato Kato

2015年以降、日本を標的としたサイバー攻撃が急増している。インターネットセキュリティ製品を展開するトレンドマイクロのエバ・チェン社長に、いま日本が直面しているリスクについて聞いた。

──2015年以降、サイバー攻撃が劇的に増えている理由は?

 もうかるからです。ランサムウエア(パソコンをウイルスに感染させて使えないようにした後、元に戻す見返りに身代金を要求する不正プログラム)の登場によって、ハッカーはもうかるビジネスモデルがあることに気付いた。さらに、ビットコインの登場で、ハッカーはトレースされずに身代金を手に入れることができるようになったことも大きいですね。

 最近はIoT(モノのインターネット)デバイスのハッキング被害も増えています。

 昨年10月、米国でDNSサービスを提供するDynがサイバー攻撃を受け、米国のおよそ半分がインターネットにアクセスできなくなりました。この攻撃に使われたのが「ミライウイルス」に感染して乗っ取られたホームルーターやIPカメラなどのIoTデバイスでした。

──直接個人が狙われる可能性もありますか。