歴史を遠く振り返れば、足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉、幕末のころなら、薩長の志士、新選組……。権力者や成功者などの「できる人」にとって、「京都」は特別の地だった。それは今も同じ。政治家、社長、芸能人、功なり名を遂げた人は、「京都」に夢中になるというのはよく聞く話だ。
なぜ、こんなにも「できる人は京都が好き」なのか?生粋の京都人であり、歯科医師、かつ作家で、『できる人の「京都」術』の著書でもある柏井壽氏にたずねた。
文化や歴史が宝石箱のようにぎっしり詰まっているのが京都です。それを理解しているからこそ、できる人は京都が好きで、その宝石箱を覗きにしばしば京都を訪れるのではないでしょうか。
宝石箱の中には高貴なものもあれば、神秘に満ちたものもあります。輝くほどに美しいものがたくさんある一方で、哀しみを湛えたものもけっして少なくありません。それらのひとつひとつが、できる人の知的好奇心をそそるのでしょう。