韓国で、イタリアで…
逮捕者や関係者の自殺も
日本で今年、八百長が騒がれたのは大相撲だが、海外ではサッカー界が八百長問題で揺れている。
5月下旬には韓国Kリーグで八百長が発覚。現役選手5人、元選手2人の7人が逮捕された。その中には、03年にJリーグ・大分でプレーしたことがある元韓国代表FWキム・ドンヒョンもいる。他にも事情聴取されている選手はいるようで、逮捕者はさらに増える可能性がある。
また、5月6日にはKリーグ・仁川ユナイテッドのGK(24)、30日には全北現代でプレーしたMF(30)が相次いで自殺した。この死も八百長問題が絡んでいるらしい。
Kリーグは日本でいえばJ1リーグに相当する。そこで八百長があり、現役選手や元選手が逮捕されたり自殺したりしたのだから、韓国国内は大きな衝撃を受けている。国内のスポーツ界に及ぼす影響としては日本の大相撲の八百長問題より大きいといえるだろう。
6月に入ると今度はイタリアで八百長問題が火を噴いた。トップリーグのセリエAをはじめ下部リーグで八百長があったことが発覚。それに関与したということで、元イタリア代表の名FWジョゼッペ・シニョーリが逮捕され、MFクリスティアーノ・ドニも嫌疑がかけられている。
韓国もイタリアも、八百長を引き起こしたのは賭博である。合法のサッカーくじとは別に非合法のサッカー賭博も行われているようで、人々が熱狂するサッカーの試合でひと儲けを狙う闇の組織が、選手に魔の手を伸ばしているのである。
大相撲に見られたように、個人競技は八百長がやりやすい。当事者の意思次第で勝敗を左右することができるからだ。その点、団体でプレーする球技で完全に八百長を行うのは難しい。チームの全員を買収して八百長に加担させるのはほぼ不可能。性格的にそうした悪事を受けつけない選手が必ずいるからだ。