検討会で議論された9つの論点のうち、改正法案に盛り込まれたのは、被害者が告訴しなくても立件可能となる非親告罪化、懲役の下限引き上げなど半分以下だ。詳細は下記の通り。

 (1)性犯罪を非親告罪とすることについて→改正。これまで強姦罪は親告罪。被害者が告訴しなければ立件できなかった。このため、身内や加害者弁護士から「おおごとにしない方がいい」「加害者の人生が滅茶苦茶になる」などと説得され訴えを断念するケースや、告訴を逆恨みした加害者が出所後に被害者を殺害する事件があったことなど、告訴が被害者にとって負担が大きいことから非親告罪化。

 (2)性犯罪に関する公訴時効の廃止・または停止→改正見送り。幼少期に被害に遭った場合、被害を自覚し加害者を訴えるまでに時間がかかる場合があることなどから改正が議論されたが、「証拠が散逸して、正しい裁判ができない恐れがある」などの理由から改正見送り。

暴行・脅迫要件の緩和など
9項目中5項目が改正見送り

 (3)配偶者間における強姦罪の成立において→改正見送り。配偶者間の被害は訴えづらく明記した方が被害を訴えやすいという意見があったが、「配偶者間の強姦が犯罪となることは裁判官の中では当然の前提と考えられていると思われる」、つまり明文化せずとも現行法のままで被害者が訴えることは可能という理由などから見送りに。

 (4)強姦罪の主体などの拡大及び性交類似行為に関する構成要件→改正。男性の被害も強姦罪と同等に。正確には、「肛門性交」「口腔性交」の強要が、これまで「膣性交」の強要のみとされてきた「強姦」と同等に裁かれることになる。強姦に「女子を姦淫する」という意味があるため、名称を「強制性交等罪」に変更に。たとえば子どもに対して「膣性交ができないから」という理由で口腔性交が行われるような場合、これまでは強制わいせつ罪で裁かれていた。今後は強姦罪と同等に。