文章への苦手意識は、百害あって一利なし。まずは書き始めること。その際、いくつかのポイントさえ押さえれば、あなたの文章は格段に良くなるはず。マッキンゼーで14年間活躍、ベストセラー『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』著者が、「入社3年目までに」身につけたいスキルをわかりやすく解説する。

文章への「苦手意識」が
足を引っ張っている

 文章を書くのが得意な人と苦手な人がいます。実は私も小学校以来、苦手でした。何より、作文が嫌いでした。

 コマツではエンジニアでしたので、そこまで文章を要求されることはなく助かったのですが、マッキンゼーでは、当然、重要視されます。

 ありがたいことに、クライアントへの報告書は長文ではなく、箇条書きのメッセージとチャートで経営課題を整理し、今後の具体策を説明する形でした。

 月1回、報告書を書き、いつの間にか書けるようにはなりましたが、苦手意識は消えず、ずっと悩まされました。

 私自身の経験から言えるのは、「苦手意識」という感じ方そのものが足を引っ張っている、ということです。

 気にすることでよくなるのならともかく、苦手意識がある→文章が書けない→苦手意識がさらに強まる→文章を書くこと自体やめたくなる、という負のスパイラルが始まってしまいます。

 うまく書こうとするから苦手意識が生まれ、悪循環が生まれるだけだと気づきました。

 つまり、何か向上につながる苦手意識ではなく、何のメリットもないトラウマです。