伊藤忠が利益で首位陥落、数値競争からの離脱を目指す連結純利益で三菱商事に首位を奪い返された伊藤忠商事の岡藤正広社長(右)。次期中計で導入を検討する新指標で商社ナンバーワンを目指す Photo by Hiroki Matsumoto

「連結純利益4000億円というのは(三菱商事と伊藤忠商事という)商社2強時代にふさわしい水準だ」

 伊藤忠の岡藤正広社長は5月2日の決算会見で、かねて公約してきた連結純利益4000億円を、中期経営計画の最終年度である2018年3月期に達成すると宣言した。

 強気の背景にあるのは好調な業績だ。17年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比47%増の3522億円で過去最高を更新。米果物大手のドール・フード・カンパニーから買収した青果物関連事業を中心とした非資源分野が大きく伸びたことや、鉄鉱石や石炭の価格などが上昇したこと、さらに15年に約6000億円を出資した中国国有の複合企業、中国中信集団(CITICグループ)からの持ち分利益が、通年で連結対象となったことなどが業績を押し上げた。

「いまのところリスクは思い浮かばない」(岡藤社長)と自信を深めており、連結純利益4000億円の達成はほぼ射程圏内とみられる。