今や、社会現象にまでなった“宅配クライシス”。そんな中で、満を持して事業機会をうかがう老舗メーカーがある。国内トップの総合パッケージ・メーカーのレンゴーだ。
世間で宅配業界の人手不足問題などが注目される中で、あらためて脚光を浴びているのが、レンゴーが数年かけて自社開発した外販用の新型マシンだ。近年、急増するインターネット通販で、商品を出荷する前に段ボール箱を最適の形状に整える自動梱包システムである。これで、宅配ドライバーがトラックに荷物を積み込む際の“積載効率”はぐんと上がる。
例えば、(1)商品に合わせて箱の高さを自在に変えられるシステム、(2)内容量に合わせて箱の大きさを調整できるシステム、(3)内容量に合わせて中の蓋(ふた)を固定できるシステム、(4)内容量に合わせて四隅に切り込みを入れて畳むように包み込むシステム、などがある。
「ある程度の数量がまとまれば、新型マシンが20~30人分の仕事をしてくれる」と同社は性能に自信を見せる。確かに、導入すれば、物流センターでの慢性的な人繰り難は緩和されるだろうし、何より生産ラインの効率化が進む。
昨年の秋から問い合わせが絶えない自動梱包システムだが、初期投資の目安として8000万円以上掛かる。そこで、現在では半額程度の廉価版も投入している。