かつてはアジアの国際トレードショーといえば香港を指し、中国の製造パワーと国際市場を結ぶ役割をしていた。中国国内の市場が大きくなり製造業の投資も拡大するにつれて、中国国内だけを対象にしたドメスティックな電気フェアの規模も、香港と同じぐらいの規模に拡大している。「世界の工場」で行われた電気フェアをレポートする。(チームラボMake部・高須正和)
パチモノから軍用品まで
“独自の文化”に基づく電気フェア
4月9~11日、第89回の中国電気フェア(China Electronics Fair、以下CEF)が開かれた。中国の複数の都市で年に何度も開かれているもので、89回だからといって89年前から行われているわけではなく、第1回は1964年に行われている。今年も深センの他、成都や上海で計3度行われる。
幕張メッセに匹敵するサイズの巨大なコンベンションセンター「深セン会展中心」をフルに使って行われたショーでは、世界の工場と呼ばれる珠江デルタの中心地・深センにふさわしい様々な工業製品が見られた。
「いかにも中国」なのは、ネタ元というか、影響されたアイデアが露骨に見える発明品の数々だ。中国は今ロボット大国になりつつあり、様々なメーカーがロボットを開発しているが、「顔や目を液晶にして表情を出す(元ネタは米JIBOやファービーなど)」「胸にタブレットをつける(同じくソフトバンクのPepperなど)」など、様々な名前の知られたロボットのアイデアを組み合わせたような展示が目立つ。