低品質なコンテンツを大量に作るサイトを「コンテンツファーム」と言いますが、WELQが目指したのはまさにこれだと思います。かつて「ワードサラダ」というコンテンツがよく目につきました。個人のアフィリエイターなどがブログに出ているキーワードをかき集めて、自動の文章作成ツールを使って記事を作る。内容的には意味不明なんだけど、検索エンジンには引っかかりやすいので、そこに広告を貼って稼ぐことができる。

 ネットの世界は、これまで自由を謳歌してきたのだと思います。ソーシャルが出てきた頃は、コンテンツはシェアしてナンボみたいな空気があり、リンクも自由だった。その自由な世界がお金儲けにつながったとき、行き過ぎて一線を超えたということだと思います。

 インターネットは「リンク」がその本質の一つだと思いますが、それがいつしか無許可転載に変質してしまった。ネットにあるものはタダで使ってもいいんだ、という意識がいつしか広がったことが問題でしょう。それはいけないんだという意識を、ネットメディアづくりに参加する個々人も、リテラシーとして持っておくべきだと思います。といっても、それほど難しいことではなく「人のものを盗んではいけない」という当たり前な話なんです。

スマホの影響でニュースが
薄く軽くなってきた

 昨今、インターネット閲覧の環境が急速にパソコンからスマートフォンに取って変わられています。多くのメディアで、閲覧比率においてスマホがPCを凌駕しています。

 スマホはPCとは違い、よりスキマ時間に読まれるデバイスですから、ニュースでも薄くて軽いもの、インスタントなものが選好されます。日常のコミュニケーション的な軽いものがスマホでは読まれやすいのです。

 たとえばニュースアプリと呼ばれるスマホのプラットフォーマーにしても、ニュースとそれ以外の感情的コミュニケーションとを峻別せずに同じように並べるので、どうしてもニュースじゃないものにアクセスが偏りがちになります。

 また、スマホというデバイスは、どうしても受動的にならざるを得ない。インターフェイス的にPCに比べて使いにくいので、自ら能動的にスマホで調べものはしにくい。スマホはあくまで消費ツール、パソコンは生産ツールという本質的な違いがあります。