債務超過に関する基準を見ると、1年以内に債務超過を解消できないと上場廃止となることが明記されている。つまり東芝は2018年3月までに債務超過を解消する必要がある。

 また、有価証券報告書等の提出遅延を理由とする廃止の基準もある。有価証券報告書は、法律(金融商品取引法)で作成が定められた決算書類であり、監査意見の記載が必要だ。2016年度本決算を、提出期限である6月末までに東芝が有価証券報告書を提出できるか否かが、上場廃止を左右すると考えられる。監査報告書や四半期レビュー報告書に監査人が不適正意見、あるいは、意見の表明を行わないことを記載した場合、取引所の判断によって上場廃止が決定されることもある。

 ただし提出期限の延長を、関東財務局が認めれば、よく、実際、東芝の16年4-12月の四半期決算は2回延長が認められてきた。財務局が期限延長を認めない場合は、8日以内に即上場廃止となる。

 つまり問題は、東芝が2016年度本決算について、監査法人との対立を解消し、期限の6月末に提出できるかどうか。それが難しい場合に、財務局が提出期限延長を認めるかだ。現状では、監査法人との対立解消は難しい状況だが、かといって、財務局が、東芝の即上場廃止につながるような期限延長を認めない措置をとるのかどうか、見通しはたちにくい。

 ほかにも、特設注意市場銘柄等に関する上場廃止の基準もある。

 東京証券取引所は、2015年9月に、有価証券報告書の虚偽記載にあたる不適切会計問題や内部管理体制の不備を理由に東芝を当該銘柄に指定した。東証が内部管理体制に改善が見られないと判断すれば、東芝の上場は廃止される。だが東証も、いまは様子見の状況のようだ。

 東芝のような日本を代表する企業の上場廃止の引き金を自らがひくことには、財務局も東証も多少の躊躇があるようだ。実際、半導体事業の売却で、債務超過が解消されるめどがついた時には、空気が変わって、決算の提出遅延や内部管理体制の改善の問題の議論は後回しにされる可能性もある。

 その意味でも債務超過の解消が上場廃止回避のポイントとであることは間違いない。