“信頼の連鎖”が「キッズライン」の魅力
経沢香保子×佐々木圭一（前編）

「キッズライン」はシッターのいい点がどんどん磨かれるサービス

佐々木　それに、このサービスって、登録して働いているサポーターさんの「いい点」がどんどん磨かれる仕組みになっているのがすごいと思う。利用後に、利用者がサポーターさんのレビューを記入するようになっているでしょう？評価されることがわかっているから、サポーターさんも気を抜くことなく、意欲を持って仕事に臨んでくれる。親は子どもに「今日はどうだった？」って必ず聞くから、親の前でだけいい顔をすることもなくなるし。

経沢　ありがとうございます。

佐々木　あと、われわれ親の側も、評価される仕組みになっていることにも「いいな！」と思いました。確かに、お願いする親と、サポーターさんの信頼関係あってこそ成り立つサービスですからね。無理な注文はしない、遅刻はしない…とか基本的なことなんですが、利用者も襟を正さねばと思いました。

経沢　そう言っていただけて、ありがたいです。本当に。

佐々木　僕はずっと経沢さんをリスペクトしてきたけれど、実際やっている事業をユーザーとして体験したことはなかったから…やっぱりすごいなって改めて感じました。さらに感動させられたのが「片づけ」。今回は子ども2人の世話を3時間お願いしたんだけれど、普通3時間も2人を自由に遊ばせておいたら、部屋は嵐が通り過ぎたような状態になるんです。でも、戻ってきたら、出かけたときよりもきれいになっていてびっくり！

経沢　それは、よかったです。「片づけて帰る」はお子様の教育上もいいですからね。遊んだおもちゃは、元々あった場所に戻す習慣になるし、親御さんも喜ぶと、そのサポーターさんは判断されたんでしょうね。

佐々木　そうなんだ！

経沢　お願いすれば、家事を引き受けてくださる方もいますよ。ほかのシッターサービス会社は、家事は頼めなかったり、「ゴミ捨て1回500円」などとその都度お金を取るところが多いけれど、「家事をやります」というマークをつけているサポーターさんであればお願いしてくださって大丈夫なんです。

佐々木　すごいね。しかも低価格だし…。1時間1000円からでしょう？ほかのところよりもかなり割安ですよね？

経沢　通常のシッター派遣会社の多くは、自分でシッターを探す必要がないので、その部分はメリットでもあるかもしれないのですが、シッターさんの手取りは、お客様の払う料金の3分の1ぐらいのところもあり、残りは派遣会社業者が取っている…というケースが多いんです。間に派遣会社が入ると、マッチング料や請求書発行料などさまざまな人的コストがかるので構造上仕方がないのだと思います。だから逆に、我々は、徹底的にＩＴ化して、利用者とサポーターが直接やり取りできる場を提供することで、料金を抑えることにしました。

佐々木　なるほど。

経沢　サポーターさんの料金は、スキルや経験に応じて、サポーターさんご自身に1時間1000円から設定いただいています。だから、人気がある方には、自分でどんどん時給も自由に上げてくださいと伝えています。もちろん、値上げの事前申請は必須としているけれど、活躍すればするほど稼げるようになっています。そして、私たちの自慢の一つに、シッターさんの働く満足度が100％というのもあります。やはりサービス提供者の働く満足度が高くないと、いい育児サービスが提供できないですよね。

佐々木　へー！料金設定の面から見ても、サポーターさんの「いい点」がどんどん磨かれていく仕組みになっているんですね。…ちなみに、料金のうちのどれぐらいが会社の売り上げに？

経沢　お支払いいただいた額の1割を利用者様から、1割をサポーターさんからいただくシステムになっています。

佐々木　え？それだけ？その中に、保険料なんかも入っているんでしょう？

経沢　はい。カード決済手数料も当社持ち。おかげさまでたくさんのお客様にご利用いただいていますが、利益を出せるのはまだまだこれからで…。でも、「キッズライン」は絶対世の中に必要なサービスだと自負しているから、絶対に頑張り抜くって決めているの。

佐々木　確かに。社会基盤の一つとしても必要なサービスだと思う。

経沢　そう。インフラにしたいんです！