マイナンバーが導入されてほぼ1年半がたつが、今年秋から本格運用が始まる「マイナポータル」を、納税に活用すれば、所得税の自主申告で、税額の計算や過不足がわかりやすくなる。「働き方改革」が目指す、副業や兼業が当たり前の社会の重要なインフラになるはずだ。

3つの社会インフラを提供
秋にマイナポータル、本格運用

 改めてマイナンバー制度の意義を見直すと、われわれ個人には、新たに次の3つの社会インフラが提供されるということである。

 第1は、マイナンバーそのものである。使途は、税務と社会保障(さらには災害など)に限定され、公平・公正な課税や社会保障の負担や給付の公平化・効率化に役立つ。

 プライバシー保護のの観点から、利用範囲が法律で厳しく限定され、不正使用などには刑事罰も用意されている。今後、利用範囲について、パスポートや戸籍、医療などへの拡大が検討されているが、どれも法律改正が必要だ。

 第2は、マイナンバーカードを活用した公的な個人認証システムである。マイナンバーカードは、本人確認のための身分証明書に使えるだけでなく、カードに搭載されたICチップによって、個人認証用の符号を用いたさまざまな電子的な活用が可能である。