歳をとっても経験で価値が高まる
専門性を選んだほうがいい理由
前回に引き続き、プロになる、そのための専門性選択の観点の話を続けたいと思います。一番目の観点は「好き嫌いと向き不向き」、そして二番目が「汎用性」でした。
三番目は“加齢による減価が少ないこと”です。経験によってますます価値の高まる専門性であればより一層よいでしょう。
加齢により減価する専門性の最も典型的な例はスポーツ競技です。
日本のフィギュアスケート界を長らくけん引してきたスーパースター、浅田真央選手が先日引退しました。浅田選手は1990年生まれの26歳。長い間、浅田選手の活躍を見てきましたが、まだ20代半ばです。
スポーツの第一線で戦うことはいかに厳しいものかと改めて思い知らされました。もちろん、競技選手としての人生だけがスポーツとの関わり合いではありません。“スポーツ”というくくりで考えれば、これからも長く活躍することができるわけですが、競技にこだわるのであれば、加齢による減価はかなり激しいと言わざるを得ません。
ビジネスでも、たとえばコンピュータプログラマーの技術者寿命が短いことはよく話題になります。このように、専門性によっては加齢によってどうしても価値が下がってしまうものもあり、その場合は途中で専門性を変える、あるいは能力を付け加えて価値を向上させる努力が必要になります。