iDeCoの掛け金は、所得控除の対象になるので、所得税と住民税の課税前のお金で老後に備えることができる。例えば年収500万円の方なら、所得税が約20%、住民税が約10%の合計30%分をほぼ確実に節税できるので、効果が大きい。「原則として60歳まで引き出せない」ことを気にする向きもあるが、iDeCoで貯められる金額よりも、老後のために形はともかく貯めておかなければならない金額の方が計算上ずっと大きくなる人がほとんどなので、「必要な額を貯めているのであり、最も有利な場所から埋めているのだ」と理解して、利用するといい。

 なお、iDeCoで選ぶ運用商品は、「運用管理手数料」が年率0.3%以下の物を選ぶべきだ。これ以上手数料の高い商品を避けておくと、選んで失敗する「地雷」のような選択肢を避けることができるし、商品選びが簡単になる。具体的には、「外国株式(先進国株式)のインデックスファンド」が最も良い選択肢になる場合が多い。

 もちろん、ボーナスで入った例えば100万円を運用しようとしても、iDeCoでは、通常毎月単位の積立しかできないので、全部を消化することは無理だ。リスクを取って運用できるお金があれば、NISA(少額投資非課税制度)の口座を作って、この口座でインデックスファンドのETF(上場型投資信託)でも買おう。ETFは証券会社でしか扱っていないので、NISA口座は銀行で開かないことが肝心だ。

 お金の置き場所は様々でいいが、運用の全体像はおおよそ、下の図のような形がよい。運用商品は、「外国株式のインデックスファンド」、「国内株式(TOPIX)のインデックスファンド」、「個人向け国債変動金利10年満期」の3つだけ知っていれば十分だ。普通のビジネスパーソンが、趣味や仕事以外の理由でこれ以外のものを調べるのは、時間の無駄だと申し上げておく。