「テーマ型が好き」「コストをまったく気にしない」人も多い!
竹川 4点目はテーマ型が好き、というものです。
中野 流行りもの、お好きな方って多いですよね。
竹川 そうなんです。なぜかテーマ型ファンドばかりが人気を集める。テーマ型というのは、たとえば環境関連企業の株式だけに投資するとか、資源関連企業の株式だけに投資するというように、特定のテーマに関連した企業に投資するというタイプのファンドなのですが、株式市場で特定のテーマが物色されるのって、とても短期間に過ぎませんから、旬が終わると、運用成績も下がってしまう傾向があるんですね。つまり長期投資とは真逆な運用スタイルを持っているファンドですから、資産形成という点を考えると、あまりメリットはありません。
中野 ギャンブルで投資するならともかくね。
竹川 5点目は手数料を気にしない人が多い。同じファンドがあって、一方は購入時の手数料がかからないノーロード、もう一方は2%の購入手数料がかかるという場合、当然、ノーロードで買えるところで買うほうが有利ですが、なぜか何も疑問を抱かずに手数料が取られる金融機関で買っている人って、結構いらっしゃいます。
中野 これは販売金融機関に問題がありますよ。たとえば2%の手数料だとしましょう。ある人は10万円で買ったとすると、2%だから手数料は2000円。一方で同じファンドを1000万円分購入したら、手数料は20万円にもなります。販売金融機関は購入手数料について、お客様に商品説明をするための手間賃と認識しているようですが、同じファンドを説明するのに、2000円と20万円ではあまりにも違いがあり過ぎます。
もし、購入手数料がファンドを説明する手間賃だと主張するならば、率ではなく額で手数料を取って、それをきちんとお伝えすればいいのです。率だからなんとなくうやむやにされてしまうのではないでしょうか。
竹川 確かに率だとどうしてもわかりづらいですよね。そして6つ目はファンドの規模に無頓着、ということです。
中野 これ、非常に大切ですよね! 日本の投資信託って、最初にどーんとお金を集めて、後はどんどん解約されて小さくなってしまうというケースが多いんです。ファンドの規模は純資産残高という数字を見るのですが、これがあまりにも小さいと、有効な分散投資が出来なくなりますし、何よりも注意しなければならないのは、解約によって、どんどん純資産残高が減っているケース。資金がどんどん流出すると、運用するどころか、ファンドに組み入れている株式や債券を売却することばかりに追われてしまって、運用どころではなくなります。結果的に、運用成績も悪くなる。塩漬けにしている投資信託があるという人はぜひ自分の持っているものを確認してみてください。
竹川 最後は、仕組みが複雑なファンドなのに買ってしまったというケース。今はやりの通貨選択型とか……。
中野 分からないものには手を出さないというのは、投資の鉄則です。竹川さんにお話しいただいた7つの残念なパターンを避けるだけでも、投資の失敗がずっと減るはずだと思います。
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