社外共有機能を活用している
「四十八漁場」

  社内SNSでありながら、社外のユーザーとメッセージのやりとりができる点も、Talknoteの特徴の1つです。社外コミュニケーション機能を活用すれば、たとえばFC本部とフランチャイジー、店舗と仕入先企業との連絡や情報の共有もTalknote上で可能となり、そうした社外ユーザーとのやりとりをTalknoteを使って迅速に社内で共有することもできます。

 この機能をうまく活用しているのが、「塚田農場」「四十八漁場」を展開する株式会社エー・ピーカンパニーです。同社はTalknoteに「産地共有ノート」というグループを作成し、産地の漁師さんはその日に獲れた魚の情報を、店舗のスタッフは魚を食べたお客様の様子などを、それぞれ投稿しています。トークノートを通じて生産者と店舗スタッフをつなげることで、生産者や従業員のモチベーションアップや、お客様へのサービスの向上を実現しているのです。

 利用料金は、「レギュラー」プランで1人あたり月額980円です。オプションとして別途1人あたり月額500円で、感謝・賞賛したい相手と項目を指定し、メッセージを添えてサンクスを贈ることができる「サンクス機能」なども利用できるようになります。

 また、全端末に対応しており、PC、スマホ、タブレットはもちろんのこと、ガラケーでも使用できるのは、依然アナログな人が多い飲食の現場で使うことを考えるとうれしいポイントです。

 個人的には、本連載で紹介しているITサービスの中で、コミュニケーションツールである社内SNSがもっとも導入効果の実感に時間がかかるだろうと考えています。

 予約・顧客管理システムやレジシステム、会計システムは普通に利用するだけで、業務の効率化や高度化が目に見えてわかりやすく起こります。しかし、社内SNSの場合、やろうと思えばあらゆることが実現できる反面、ただ漫然と使うだけではあまり改善効果が現れません。

 Talknoteを使ってどんなことを実現したいのか――スピーディーに情報共有するためなのか、社内の一体感を高めるためなのか、サービスを向上させるためなのか、従業員の教育のためなのか。そういった目的意識を明確にして利用することではじめて、目的に向かって社内のコミュニケーションにドライブがかかり、インパクトのある改善効果を得ることができるのです。

 次にご紹介する株式会社ヴィクセスも、導入当初はTalknoteを十分に活用できていませんでした。しかし、店舗が増えるにつれてTalknoteを使う目的が社内で明確に共有されるようになり、業務全般にわたって効率化と高度化が実現できるようになりました。今では店舗オペレーションに欠かせないツールの1つになっているそうです。

 次回は、同社におけるTalknoteの導入の経緯や具体的な運用方法を見ていきましょう。