損保ジャパン日本興亜の子会社で、40代、50代を主な対象にした「おとなの自動車保険」を手掛けるセゾン自動車火災保険。インターネットなどを通じて加入するダイレクト系市場全体が伸び悩む中、規模拡大に向けた青写真を聞いた。
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──保有契約は増えていますが、業績面を見ると9年連続最終赤字で厳しい状況が続いています。

 今の赤字は、計画的な赤字として捉えています。仮に新規契約の獲得をある程度抑制すれば、今の段階でも黒字にできる側面はあります。ただ今は、利益の源泉となる保有契約をとにかく拡大させて、一定のシェアを握ることを経営の最優先課題としています。

 当社に限らずダイレクト系損保は、代理店のコストは掛かりません。ですが、インターネットやテレビ広告をはじめ契約獲得のプロモーション費用がかさみ、コスト高となって利益を大きく押し下げる収益構造になってしまっているのが現状です。

──黒字転換はいつごろを想定しているのですか。

 2020年度に、単年度黒字にもっていくという計画を立てています。そこまでは赤字でも保有契約の拡大を優先させます。

 業界では、プロモーションコストを吸収しながら利益を上げるには、トップライン(収入保険料)で300億円とされていますが、20年度には全社で600億円、(主力商品の)「おとなの自動車保険」は保有契約で現状比倍増の120万件を目指しています。