他にも特殊部隊出身のやつ、プロの運動選手といった兵から、運動神経が超悪いがラグビー部員でありたいという熱い奴。もう本当に凸凹熱さ満載軍団。熱い、熱すぎる。

試合内容は、ハタから見れば笑ってしまうレベル。
しかし、選手の気合いは世界最高峰!

 そんな僕達の試合。

 毎週土曜日の朝。ボストンの朝のラグビー場はひんやりとした空気に覆われ、夜露にしめった芝生が美しい。

 皆、勉強で忙しかったり前夜の金曜日は深酒をしていたりするはずなのに、試合の日は眠い眼をこすりながらパラパラとラグビー場に集合してくる。

 無言でアップをはじめ、終わるころにはひと汗かき、ひーひー言いながら円陣を組む。

 試合前に全員で熱い肩を組んで円陣を組み、中央へ激しく押し合いながら気分を高めていくのだ。

 そしてキャプテンのマルが絞り出すように。

「おまえの周りにいるチームメートの眼をみろ。お互いの眼を見ろ」
 「俺達は、今見ている奴らのために戦うんだ」
 「今、この瞬間に全力を出す以上のことがあるか。仲間以上に大事なものがあるのか」

 次第に全員涙ぐみ、最後は泣きだしてくそーやってやろうじゃないかーと熱い熱い思いがこみ上げてくる。

 試合自体はハタから見ていたら笑ってしまうほどの泥仕合だ。

 みんなそれほど速く走れない。けど、ただ、果敢さだけは引けを取らない。

 己だけには絶対に負けない。そして、仲間のために80分間戦い続ける。

 勝っても負けても相当な爽快感が僕たちを包んでくれる。