世界最高峰のMBAと言われるハーバード・ビジネススクール。そこは世界的エリートの養成機関とも呼ばれ、桁外れの秀才たちが集まる。しかし、ハーバー ド・ビジネススクールに集まる人たちは単に頭がいいだけではない。知的な好奇心はもちろん、なみなみならぬエネルギーと生命力をもった熱き人間の巣窟なの だ。『パンツを脱ぐ勇気――世界一“熱い”ハーバードMBA留学記』の著者が5回にわたり、彼らの熱きエピソードを紹介する。
エリート集団140名が日本にやってくる!
迎え撃つ日本人留学生は?
ハーバード・ビジネススクールの入学前、そこは、冷血で利己的なエリートたちがさらに賢く生きていくことを学ぶ場所だと思っていた。
ところがそこは「ぐちゃぐちゃ言ってないで、リスクを取って何かにチャレンジしなさい」という、夢と希望と勇気と情熱に満ちた哲学が支配する熱い熱い教育機関だったのだ。
そんなハーバード・ビジネススクールの知られざる素顔。その一つが「とことんやる文化」にある。
生半可は許されない。
やるんだったら、とことんやる。
勉強も、課外活動も同じである。
すべて徹底的にやるのだ。
たとえば、毎年、4カ月にわたる長い夏休みが始まる5月に、大量の外国人生徒が日本を訪れる「ジャパントリップ」というイベントが催される。
この旅行は、おそらく日本への旅行という意味では、世界一濃縮された「とことん日本旅行」かと思われる。僕らの年は、過去最高の、総勢140人の外国人生徒が日本を訪れた。
修学旅行のようなわくわく行事でもあるが、さまざまな国からの留学生、もしかしたら将来各分野で世界を引っ張っていくかもしれない各国のリーダー候補の若手たちが、140人まとめて日本を訪れる機会だ。日本という国が彼らの冷徹な観察眼にさらされるわけだ。
しかも、学校で「とことん」やることを徹底的に仕込まれている極めて要求度の高い生徒たち。そんな彼らを感動させるのは並大抵のことではないが、そもそも日本という国が舐められたらたまったものではない。