世界最高峰のMBAと言われるハーバード・ビジネススクールの素顔を紹介する本連載。最終回の今回は、MBA生たちのインターシップについて。一流企業から100万円単位の報酬を約束されるインターンシップ。しかし、それを蹴って著者が挑戦したのは、アメリカを代表するジャンクフード、バッファローウィングの全米調理選手権だった。

高級ホテルに宿泊し、高級レストランでの会食。
優遇されたハーバードMBA生のインターンシップ

 通常、ハーバードMBAの学生は、1年目が終わった直後から始まる4カ月にわたる長い夏休みにインターンシップと呼ばれる企業での研修を行う。次の年の卒業とともにこの学校を巣立っていくための準備だ。

 将来働いてみたい企業で2週間から長くて数カ月実務を経験することでその会社や業界の内情を知るだけでなく、人脈をつくり、そして企業に自分をアピールするのだ。

 企業側もMBA生を積極的に採用したいので、このインターンシップは派手に行う。

 気合いを入れて募集もするし、インターンシップ中は学生を高級ホテルに泊め、連夜高級レストランで学生達をもてなす。さらにほんの少しの期間だけ働くのにお年玉といわんばかりに100万円単位の給料をぽーんと渡す。このご時世とは思えぬとてもバブリーな世界なのである。

 僕はそんな数百万円の夏休みには目もくれず、あるものにこの夏休みをかけることにしていたのだ。

 あるもの─それは「バッファローウィング」というものだった。