2010年12月の発売以来、日本でもザッポスおよびトニー・シェイのファンを増殖させている書籍『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』ですが、これまで9回に渡り、日本のさまざまな層のザッポス伝説ファンの情熱を紹介してきました。今回から数回にわたって、渡米して、直接ザッポス・ファミリーに話を聞き、同書に書ききれなかった内容や出版してからの新たな動きについて、まとめていきます。今回は厳しい時期にトニー・シェイのザッポスを成功に導いた中心人物、フレッド・モスラー(Fred Mossler)にザッポスの強さと成功の鍵などについてうかがいました。
トニー・シェイの信頼篤きパートナー
(Fred Mossler)
ノードストロームでの8年余りを経て、1999年にザッポスに参加。マーチャンダイジング担当シニアヴァイスプレジデントから“No Title”となり、マーチャンダイジング、マーケティング、クリエイティブ、ヘルプデスク、アウトレットなど多くを担当。
ザッポスの可能性について話し合っている間、私はニコラス・ケイジそっくりのフレッドに気を取られてビジネスの話に集中できないのがバレないようにと必死でした。フレッドは33歳(当時)で、背が高く、ニコラス・ケイジの代役になれそうなほど、とてもよく似ていました(『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』108ページより)。
トニー・シェイとの初めての出会い(ザッポスの誕生のとき)に、トニーからこのように評されたフレッド・モスラー。トニー・シェイの本当に篤い信頼の下、マーチャンダイジングを統括しつつ、会社全体の経営に取り組んで来ました。ちなみにフレッドの現在の肩書は「No Title」です(http://about.zappos.com/meet-our-monkeys/fred-mossler-inc)。ザッポス伝説が世に知れ渡って以降、フレッドはどのように変わったのでしょうか。
「2010年6月に「Delivering Happiness」(「ザッポス伝説」の米国原書)が出版されてから、本がメディアに取り上げられ、トニーはインタビューにトークショーにと引っ張りだこで、ザッポスのブランドを広く知ってもらういい機会になりました。それに採用への応募が増えました。ザッポス・ツアーやインサイトに興味を持つ人々や企業も増えました。
個人的には、これまでザッポスで何が起こっていたか知らなかった友人が多く、かつての危機を知り驚いていました。でも、私たちは乗り越えてきたのです。