2010年12月の発売以来、日本でもザッポスおよびトニー・シェイのファンを増殖させている書籍『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』ですが、1~9回で日本のさまざまな層のザッポス伝説ファンの情熱を紹介してきました。さらに第10回からは、渡米して直接ザッポス・ファミリーに話を聞き、同書に書ききれなかった内容や出版してからの新たな動きについて、まとめてきました。最終回となるこの第14回では、CEOのトニー・シェイに代わって社外で講演などを務めるスピーカー・オブ・ザ・ハウスという肩書を持つジェイミー・ノートン(Ms. Jamie Naughton)、デリバリング・ハピネスのCEO兼CHO(Chief Happiness Officer)であるジェン・リム(Ms. Jenn Lim)の二人のインタビューをお送りします。

ザッポスを代表して講演を行う
ジェイミー・ノートン

ジェイミー・ノートン
(Ms. Jamie Naughton)
AMCシアター、マンパワーでのスタッフィング担当の後、2004年にザッポスの人事(HR)に三人目の社員として参加。クルーズ・シップ・キャプテン(社員サービス)を経てスピーカー・オブ・ザ・ハウス(カルチャー、講演、対外リレーションなど)。デリバリング・ハピネス社にも参画。ダウンタウン・プロジェクトも担当。

「トニーにはとても沢山の講演やインタビューの依頼が来ますが、講演を受けるのはトニーだけではありません。私はスピーカー・オブ・ザ・ハウスという肩書ですが、ザッポスを代表して、海外を含め1~2ヵ月に1回は社外で講演をしています。9月はシンガポールで講演の予定です(参考:2010年デンマークでの講演の動画)。

 昨年始まったダウンタウン・プロジェクトも担当しています。ラスベガスに長く住む私にとって、とてもエキサイティングな仕事です(連載第10回『トニー・シェイが語るザッポスの次なる進化』で、トニー・シェイが紹介しているプロジェクト)。

 このプロジェクトでは、繁華街のあるフリーモント・イーストを中心に、ラスベガスのダウンタウンを変えようとしています。いまは犯罪もホームレスも多いですが、3年で違った街になるでしょう。ウォーカビリティ(walkability)を取り戻す、つまり安心して歩ける街にしたいのです。

 ザッポスの友人たちとその家族が住むことで、ダウンタウンは変わっていくでしょう。私が想像する以上のスピードかもしれません。パッションを持つ人が自発的に率先して街をつくり、ラスベガスを変身させます。本当の意味でのコミュニティとカルチャーを築き上げたいと思っています。