東日本大震災で激減した日本のホテル需要だが、外資系ホテルチェーンは日本進出の姿勢を変えていないようだ。

 2014年には京都に日本で3番目となるザ・リッツ・カールトンが開業、東京・大手町でもシンガポール資本のアマンリゾーツがオープンする計画だ。

 そして、ここへきてささやかれているのが、セントレジスの東京進出。セントレジスとは、ウェスティンやシェラトンなどを展開する世界的ホテルチェーンの米スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツワールドが誇る最上級ブランドで、2010年10月に大阪でオープンした際には、1泊7万円の宿泊料金が話題になった。

 東京では東京汐留ビルディングに入る計画が進んでいたものの、条件が折り合わずに頓挫、結局、同ビルには英ヒルトン・インターナショナルのコンラッドが入った。

 それだけに今回の進出話が気になるところだが、実際、スターウッドでは、会議を日本で開くなどして安全性をアピールする一方、5000人の営業担当者を動員し、来日プロモーションにも動き回るなど積極姿勢が目立つ。

 来日した同社首脳も、「日本のホテルの稼働率も戻りつつある。今後も日本に新規出店をする。東京にもセントレジスを進出したい」と意欲を隠さない。

 今のところは、「具体的な計画は決まっていない」(日本スターウッド・ホテル)とするものの、有力候補地の一つとして取りざたされているのが、丸の内・大手町界隈。

 老朽化したオフィスビルを超高層ビルに順次建て替える計画が進んでおり、オフィス需要が低迷する中で、ここだけは別格となっている。ホテルを誘致すると容積率が上がるため、ディベロッパー側にとってのメリットも大きい。「オフィスビルは景気に左右されやすいため、ホテルや商業施設を入れて収益の安定化を図る傾向が強い」とある関係者は話す。

 東京では他の地域でも大型の再開発が動いているだけに、「最後の高級ホテル」と言われるセントレジスをどこが誘致できるのか、注目だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)

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